E3より今後のゲーム業界を紐解く | テレビゲームのソムリエになりたい - yzxのつぶやき

E3より今後のゲーム業界を紐解く

エレクトロニック・エンターテイメント・エキスポが、開催されています。

俗に言う『E3』です。昔は、家電製品の見本市でしたが、今ではテレビゲームの見本市として世界一の規模となっています。


さて、次世代機のモデルがそれぞれのメーカーから発表されました。

全ての次世代機のコントローラーがワイヤレスとなり快適なゲームライフを送り届けてくれるようです。

ゲーム業界という視点から映像業界・音楽業界を切り離して見た時、注目すべき次世代機はやはり任天堂のレボリューションだと私は思います。


今回の発表前から『異質な遊び』を提供すると言っていた任天堂ですが、基本的に今ある技術を普通に応用したゲーム機であって、それほど異質なものではないものでした。

しかしながら、X-BOX、PS3と比べると遥かに異質な遊びを提供するのは間違いないようです。


何がどう異質なのかというと、突出している下位互換とインターネットの利用についてです。

他の2機種も同様に下位互換を果たしていますが、こちらはFCやSFCといったディスクROMではなかったゲームが、ネットからダウンロードして過去に発売された任天堂ソフトがほぼ全て遊べる仕様となっている事です。

これは今の中古市場にある問題を解決してしまうほどに画期的なものなのです。

他2機種についての下位互換は中古販売店で安く売っているゲームを使用する事ができますが、それだとメーカーに売上の還元はありません。

しかし、このダウンロード形式だとメーカーに売上の還元ができるということです。

また、任天堂以外のメーカーのゲームもダウロードできるようになっている事から、過去にFCやSFCでゲームを発売したメーカーにとって、その作品が『お金』という価値を再び持つ事を指します。


今では新作を作っても売れないという問題が業界に蔓延しています。しかも、中古市場があるおかげで、新作の売上を阻害するという形になっており、また高騰を続ける開発費が新作を作る事の上で大変なリスクとなり、企業存続のネックとなっているという状態です。

新作を作ることが企業の発展にとって大事な事ですが、そのリスクがあまりにも大きくなり過ぎているという死活問題が、業界にはびこっているわけです。


また、この据え置き型は無線LANを内蔵し、インターネットに接続する『ケーブル』を必要としない上に、どうも任天堂が言うにはISP(インターネットプロバイダー)への加入の必要性がないようで、タダでインターネットを使えるゲームとなりそうな物のようです。

過去に、ローソンのロッピーや古くはディスクリーダーという形でそれまでにはなかったゲームの売り方を提供する任天堂の本気が窺えます。


任天堂のDLして遊ぶという形は、それこそ中古販売店にとって死活問題となりうるものですが、それ以前にメーカーが潰れれば販売店も元も子もないので、縮小を続けているといわれる日本のゲーム市場に起爆剤を落とすというような形となるかもしれません。


この中古市場問題に過去に真っ向から立ち向かったSCEは、売れなくなった新作に新たな価値をつけるような形でソフトの供給数を増やし、いわゆる『廉価版』を販売して、ユーザーを中古市場から新品市場へと持ってこさせ、中古の魅力を半減させるという理由をもっての販売戦略でしたが、それはユーザーの拡大を増やす事に大いに成功しましたが、増え続ける供給数によって、余計に中古市場が充実してしまい、逆に昨今のような新品市場の縮小となるものでした。


そんな形で、決して解決する事のなかった中古問題に任天堂がついに動き出したということ。これほど、業界として元気の出るニュースは今回のE3には他にありませんでした。


さて、この据え置き型さえあれば、過去に発売されたゲームを中古屋に探しに行く必要がない事を指し、いくつかレアになっているゲーム、例えば『ファイアーエムブレム トラキア776』が適正な価格で遊べる事を意味します。

これはゲームユーザーにとってかなり期待の大きいものではないでしょうか。